生まれる前の赤ちゃんの検査のおはなし
こんにちは🌸
突然ですが
赤ちゃんが生まれる前に染色体の病気が調べられる検査(出生前診断)の1つであるNIPTという検査を耳にしたことはありますか?(正式な名称ではないのですが、新型出生前診断、と呼ばれることもあります。)
染色体というと少し難しいかもしれませんね。
私たちを形作る設計図は「遺伝子」に格納されていて、細胞1つ1つに染色体という形で存在しています。
生まれながらの病気の原因は様々ですが、病気をもって生まれる赤ちゃんの4人に1人が、染色体の変化が原因であると言われています。
このNIPT自体は少し前に話題になった検査なので聞いたことがある方もいるのかもしれません。
NIPTで分かるのは、お腹の中の赤ちゃんが21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーという染色体の変化がもたらす病気について、その病気を持っている可能性があるかどうかということです。
「トリソミー」というと聞きなれない表現かもしれませんが、
実は「21トリソミー」は「ダウン症候群」の別の呼び方です。
ダウン症候群を持っている方を日常生活の中で見かけたことがあるというのは珍しいことではないと思います。
しかし「18トリソミー」や「13トリソミー」を持った方を見たことがある、という方は珍しいのではないでしょうか?
というのも、これらの病気の赤ちゃんは未熟な状態で出生し、
生まれた後も気管に管を入れて人工的に呼吸の補助を行う、などの病院の中で医学的な管理が必要となる場合がほとんどだからです。
言い換えればダウン症候群は社会の中で共生している病気である一方で、
18トリソミーや13トリソミーは病院で過ごす時間が多い、という理由から社会ではあまり知られていないということですね。
厳しいお話になりますが
「18トリソミー」と診断された赤ちゃんの半分くらいは生まれてくることができず、
この世に生を受けることができた「18トリソミー」や「13トリソミー」を持った赤ちゃんも、その内90%は1歳のお誕生日を迎えることが難しいと言われています。
そんな厳しいことを聞かされると、
「一生懸命生まれてきても、病院の中で管に繋がれたまま過ごすなんてかわいそうだ…。
それなら生まれてこない方がこの子の為にも良いのではないか…。」
と思うお母さんやお父さんがいることは不思議ではないのかな、と思います。
実際のところ、従来、出生前診断の後は
「人工妊娠中絶」か「そのまま妊娠を継続し、出生後に新生児集中治療室にて治療を行う」か
の二者択一でした。
しかし現在は、胎児治療と胎児緩和ケアという選択肢が加わっています。
今の日本の法律では妊娠22週より前までに妊娠を中断するか、継続をするかを決断しなければなりません。
でも、出生前診断の確定診断がつくのが22週ぎりぎり…という状況も少なくはないのが現実です。
短い時間の中で、ご両親は大変おおきな決断を迫られるわけです。
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恥ずかしながら、つい最近まで私は「胎児緩和ケア」という選択肢がある事を知りませんでした。
なので、もしかしたらお父さんお母さんの中にも、こういった方針もあるよ、ということを知ることが判断の一助になることがあるかもしれないと思いました。
次は「胎児緩和ケア」というのはどういうものなのか書いてみます!
間違っていることがあったらご指摘いただけますと幸いです🌷