クローズアップ現代+「広がる出生前検査 その課題は?」を視聴して
こんにちは🌸
三寒四温の時期ですね。(と書こうとしたら元々は冬の気候を表す言葉なんですね...知りませんでした。)
先日タイトルの通りですがクローズアップ現代+で「広がる出生前検査 その課題は?」を視聴しました。
(本当は見た翌日にブログを書いていたのですが、公開が遅くなりました。今回もすこーし長めです💦)
「出生前検査」といえども、広い意味では妊婦健診で診るエコーもこれに当てはまるわけですが、もちろん今回フォーカスされていたのは
お母さんの血液だけで、赤ちゃんの染色体の変化の有無を見るNIPT(通称、新型出生前検査)です。
この検査は採血だけで出来るうえに、従来の方法と比べて精度がかなり高いことから「命の選別につながりかねる」のではないかと世間から問題視されてきました。
生まれる前の赤ちゃんの染色体の病気を検査できる出生前検査をする前にはご両親に遺伝カウンセリングに来ていただくことになっています。
というのも、検査を受けてしまってから、やっぱり受けなきゃよかったなあ...
となっても時は戻せませんよね?
検査だけ用意して、
「受けたかったらご自由にどうぞ。結果はこうですね。どうするかはあなたが決めることです。」
と言われたらどうしましょう??
たしかに自分で決めることだとは思うけど...🤔
と困ってしまうと思います。
そうならないように、私たち遺伝カウンセラーはご両親のために、
検査前の遺伝カウンセリングでは
検査や病気についてやどんなことを考えないといけないのか...などの情報を提供したり
結果が返ってきた後にも
今後の方針をどうするかという決定ができるよう
情報や考えを整理するお手伝いをします。
ただそういうお手伝いができるのは、遺伝カウンセリング中の1時間だけなんですよね...。もちろん決められた時間の中で出来る限りサポートはしますが、最初から最後まではなかなか現実的ではありません。😓
.
.
この番組では
オンライン上で、これから病気や障がいと携わる方や、すでに携わっている方同士が繋がれる「ゆりかご」というサービスが紹介されていました。
たとえば出生前検査で、赤ちゃんが障がいを持つ可能性が高いということが分かったときに
「同じような経験をした先輩ママ(パパ)はどうしたんだろう?」
「この病気を持った方はどうやって暮らしているんだろう?どんなことに困るんだろう?」
といったリアルな声を聞いてみたいと思うかもしれません。
また、今まさに自分と同じような経験をしている仲間と気持ちを分かち合いたいと思うかもしれません。
ここで相談者のサポートをするのがサポーターと呼ばれる方々です(サポーターも相談者として相談することもできるようです)。
Q. どんな方が「サポーター」になっているの?
- 病気や障がいを持つご本人
- 病気や障がいを持つお子さんを育てているご両親やご兄弟の方
- 病気や障がいを持つお子さんを亡くされた方
- 病気や障がいを理由に人工妊娠中絶をされた方
- 病気や障がいを関わる医療関係者 等
病気を診断したり治療したりする専門家は医療者ですが、病児の子育てについては家族に聞くのが一番と考えています。
また、出生前診断後につながりたいのは、現在子育てをされている家族だけではありません。 悩んだ末に中絶をされた方、出産しお看取りをされた方など、様々な形で病気や障がいと関わる方と出会える仕組みです。
ゆりかごのウェブサイトから引用させていただきました。
赤字にしたところにもありますが、現在子育てされている方のみならず、他の形でも病気や障がいと関わっている方と出会えるというのは、なるほどなぁと思いました。
番組内のサポーターの方が
『産む選択をした人も、しなかった人も選んだ結果に違いがあるだけで、似た状況で悩んでお互いに頑張った仲間』 といってもらえて救われた
とお話していて、これは当事者同士だからこそ支えられる部分もあるのかもしれないと考えさせられました。
(中絶を経験した方、流産・死産を経験した方の中にも、長い間こころに傷を抱えたまま苦しんでいる方がいるというのも改めて実感しました)
ただ、あくまでリアルな声ではあっても、それぞれ状況は違います。
個人的な意見としては
様々な意見を聞くことは自分がどうしたいかを考えるうえで役に立つとは思うのですが、ある一部の意見に強く影響されてしまうのは心配だな、とも思います。
こういったサポートもありますよ、と医療者として紹介するのは正解なのでしょうか?